プロポーズで贈られる花束は、一生に一度の大切な思い出です。ただ、生花はどうしても枯れてしまうため、「少しでも長く飾りたい」「形として思い出を残したい」と考える方は多いはずです。本記事ではプロポーズの花束のお手入れ方法、保存方法などについてご紹介します。
プロポーズの花束を生花として長持ちさせるお手入れ方法

水替えや切り戻しで日持ちを延ばすコツ
まず、花束を持ち帰ったら、ラッピングを外して花瓶に生けましょう。その際に重要なのが「水替え」と「切り戻し」です。お水は基本的には毎日新しいものに替え、茎の先端を1〜2cmほど斜めにカットすることで吸水力が高まります。切り花延命剤を加えると、お花の鮮度を更に保ちやすくなります。水の量は多すぎても少なすぎてもよくないため、茎の先がしっかり浸かる5cm前後を目安にしましょう。
花束を飾る際の注意点
お花は温度や湿度に敏感です。まず、直射日光の当たる窓辺や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。高温多湿の環境はお花が傷みやすく、玄関や廊下などの風通しの良い涼しい部屋に飾るのがおすすめです。
特に夏場は室内でも気温が上がりやすいため、冷房の効いた環境で管理すると日持ちが大きく変わります。冬場は暖房の風が当たると乾燥で寿命が早まってしまうため、鑑賞場所には注意が必要です。
花瓶の選び方と花が元気に見える飾り方
花瓶は清潔に保ちやすい透明なガラス製がおすすめです。透明な花瓶は水量や濁りが見えやすく、お水の替え時や状態が一目でわかるので、お花の状態が保ちやすいです。口が狭すぎる花瓶だと花が窮屈になり、花瓶のお水で茎や蒸れてしまうため、傷みやすくくなります。口が少し広めの花瓶を使うことで花束が自然に広がり、美しく見えるだけでなく水も行き渡りやすくなります。水に浸かる部分の葉は必ず取り除き、腐敗の原因を減らしましょう。
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思い出を残す特別な保存方法

プロポーズの花束を押し花として保存する
押し花はもっとも身近な保存方法のひとつです。押し花は本の間に挟むだけでも作ることができますが、専用の押し花キットを使うと発色が良く、鮮やかに仕上がります。押し花にした花は、フォトフレームに閉じ込めたり、メッセージカードやアルバムに添えることで、思い出を形として長く残せます。小ぶりの花や花びら単位で残すのにも向いています。
プロポーズの花束をドライフラワーとして保存する
花を逆さに吊るして自然乾燥させるだけで自宅で簡単に作れるドライフラワーは、アンティークな雰囲気が魅力です。赤いバラやカスミソウはドライにすると独特の風合いになり、インテリアとして長期間楽しめます。ただし、乾燥による色あせや花びらの散りやすさは避けられません。乾燥中は直射日光を避け、風通しの良い場所で1〜2週間吊るすときれいに仕上がります。
プロポーズの花束をプリザーブドフラワーに加工して保存する
プリザーブドフラワーは特殊な加工液を用いて水分を抜き取り、色素を浸透させて保存する方法です。数年単位で鮮やかな色を楽しめるのが最大のメリットで、プロポーズの花束を長期保存するのに最適です。ただし自宅での加工は難しく、専門店に依頼する必要があります。費用がかかる点はデメリットですが、仕上がりの美しさと保存性を考えると人気の高い選択肢です。
【関連記事】プロポーズの花束をもらった後はどうする?その後の適切なお手入れと管理方法をご紹介します。
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ドライフラワー・プリザーブドフラワーに向いている花/向かない花

ドライフラワーに適した花と不向きな花
ドライフラワーやプリザーブドフラワーに向いているのは、水分量が少ないお花です。例えば、バラ、カスミソウ、スターチス、ユーカリ、アジサイなど乾燥しても形や色を比較的保ちやすいお花です。一方で、春の代表花であるチューリップやガーベラ、ユリのように水分を多く含む花は、乾燥させると花びらが縮んだり変色したりするため不向きです。お花ごとに向き不向きが分かれるため、もらった花束に何のお花が入っているか確認しましょう。
バラやカスミソウなどプロポーズ花束の代表花材の相性
赤いバラはドライフラワーにもプリザーブドフラワーにも加工しやすく、最も人気の高い保存対象です。カスミソウはドライフラワーにすると繊細な雰囲気が残り、アンティークな仕上がりが楽しめます。
プロに依頼してプロポーズの花束を保存するなら?

保存加工を依頼できる専門店・サービスの種類
プロの加工業者に依頼する場合は「押し花」「プリザーブドフラワー加工」「レジン封入加工」などがおすすめです。プロポーズの花束全てではなく、花束の一部だけを残すこともでき、加工後はインテリアやギフトとして飾れる作品になります。
料金相場と依頼する際の注意点
費用は保存方法や仕上げ方によって異なりますが、押し花フレームなら2万円〜5万円、プリザーブドフラワー加工なら3万円〜8万円程度が相場です。大きな花束や特注のデザインを希望する場合は10万円前後になることもあります。依頼する際は、保存可能な花材や依頼業者の仕上がりイメージを事前に確認することが重要です。
仕上がりイメージと保存できる期間
プロに依頼した保存作品は、ドライフラワーなら数か月~数年、プリザーブドフラワーなら5年〜10年程度持ちます。フレームやガラスドームに収める(密閉する)ことでホコリや湿気による劣化を防ぎ、より長く美しい状態を楽しめます。
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保存加工業者への持ち込みの際の注意点

事前に予約する
花の保存加工を行う業者は、依頼が集中する時期や休日は特に混み合うことがあります。急に持ち込んでも対応できない場合があるため、必ず事前に予約を入れておきましょう。加工方法(押し花・ドライフラワー・レジン加工など)によっても受付枠が異なるため、希望する加工法を事前に伝えておくとスムーズです。
花の鮮度を保つためのポイント
加工の仕上がりは、花を持ち込む時点での鮮度に大きく左右されます。花束を受け取った後は水に浸けて保管し、直射日光やエアコンの風を避けましょう。お花に張りがあり、元気な状態で持ち込むことで、きれいな状態での保存が可能となります。
持ち運び時の注意事項
花を持ち運ぶ際は、花びらがつぶれたり折れたりしないよう注意が必要です。花束を横に寝かせず、できるだけ立てた状態で持ち運ぶのがおすすめです。袋で餅はコム場合は新聞紙などでお花を巻くと、衝撃から守ることが出来ます。風や直射日光を避けて、なるべく刺激の少ない状態で運ぶことがポイントです。
保存加工の流れと所要時間
保存加工には押し花やドライフラワー、立体加工(レジン封入やガラスドーム)などさまざまな方法がありますが、基本的な流れは同じです。加工業者の目線でお話しすると、お花を受け取り、加工方法やデザインを相談したうえで作業がスタートします。所要時間は加工方法によって異なりますが、押し花やドライ加工は数週間〜数か月、ぷリザーブドフラワー加工の場合は半年程度かかることもあります。いずれも、鮮度の良い状態で持ち込むことが仕上がりを左右する大きなポイントです。
持ち込みから加工までのステップ
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予約・持ち込み
事前に業者へ連絡して予約し、鮮度の良い状態を保った花束を持参します。お水に浸けて保管し、移動時も花が傷まないよう注意することが重要です。 -
打ち合わせ・見積もり
希望する保存方法(押し花・ドライ・レジンなど)やデザイン、額装・ケースなどを相談し、料金と納期を確認します。 -
加工スタート
花の水分を抜き、乾燥や樹脂加工などを施して形を整えます。方法によっては花を一輪ずつ解体して配置する作業もあります。 -
仕上げ・保管
完成後は額やケースに収められ、飾れる状態に仕上げられます。
完成までの期間と受け取り方法
保存加工の完成までには、数週間〜数か月とある程度の時間がかかります。押し花やドライ加工で1〜3か月程度、立体保存やレジン加工では4〜6か月かかるケースも珍しくありません。受け取りは直接来店して引き取るほか、配送に対応している業者もあります。希望のスケジュールがある場合は、早めに相談しておくと安心です。
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プロポーズの花束を保存する際によくある質問

保存できる花・できない花はありますか?
水分の多い花や繊細な花は難しい場合があります。プロポーズの定番であるバラやカーネーションは保存に適しています。
保存期間はどれくらい持ちますか?
ドライフラワーは数ヶ月〜数年、プリザーブドフラワーは数年から10年ほど持ちます。保存環境によっても変わります。
自分で保存と業者に依頼、どちらが良いですか?
ドライフラワーとして手軽に加工したい場合は自作がおすすめです。長期的に美しく残したいやインテリアのデザインに拘りたい方は専門店に依頼がおすすめです。
花束全部を保存することは可能ですか?
花材によりますが、全体を保存するのは難しい場合が多いです。言い換えると、バラだけの花束のように単一のお花だけで仕上げた花束の方が全部を保存しやすくなります。金額との相談となりますが、花束の一部を残して加工するのが一般的です。
保存加工業者へは持ち込みでないとダメですか?
加工業者は東京、大阪、福岡、横浜と主要都市には店舗を構えている業者があります。これら都市への持ち込みが難しくても、配送でも受け付けている業者もあるので、各業者に確認しましょう。
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大切な思い出を残すためにできること

プロポーズの花束は、花そのものを残す以外にも、写真に収めたり、保存した花を使ってアクセサリーや小物に仕立てる方法もあります。花びらをレジンに閉じ込めてペンダントやキーホルダーにする人も増えています。また、押し花やプリザーブドフラワーを使って結婚式のウェルカムボードにアレンジするのも人気です。花束を保存する方法は多様ですが、大切なのは「どんな形で思い出を残したいか」を明確にすることです。
まとめ
プロポーズの花束は時間とともに枯れてしまいますが、保存方法を工夫すれば長く楽しむことができます。毎日の水替えや切り戻しといった基本的なお手入れから、押し花やドライフラワー、プリザーブドフラワーへの加工、さらには専門店に依頼してインテリアとして残す方法まで、選択肢は幅広く存在します。バラやカスミソウなど定番の花材は保存に向いているため、プロポーズの余韻を美しい形で残すことが可能です。一生に一度の大切な思い出を、自分に合った保存方法で形に残してみてください。