一周忌のお供え花

一周忌のお供え花｜選び方・相場・マナー完全ガイド

一周忌のお供え花の基本マナー

一周忌は、故人が亡くなってから丸1年後に営まれる大切な法要です。最近では親族で行われることが多いですが、ご友人、会社関係者など多くの方が集うこともあり、お供え花は故人を偲び、遺族を慰める役割を持ちます。

お供え花を準備する際に大切なのは、「故人を敬う心」と「遺族への配慮」です。たとえば、宗派や地域の風習によって好まれる花の種類や色合いが異なることもあります。仏式の場合は白や淡い色合いの花が基本ですが、キリスト教や神道では必ずしも同じとは限りません。事前に遺族に確認できる場合は、一言伺ってから手配すると安心です。

また、一周忌の法要では祭壇や本堂に花が並ぶことが多いため、派手すぎない落ち着いた雰囲気の花を選ぶのが一般的です。

一周忌に選ばれる花の種類と色

一周忌のお供え花では、清らかさや慎ましさを感じさせる花が選ばれる傾向にあります。

• 菊（白菊・スプレーマム）

仏花の定番であり、高潔さを象徴するお花です。最近では洋風の菊も出回っており、和花・洋花どちらのアレンジにも使いやすい万能な花です。

• カーネーション

カーネーションは優しさと愛情を表すお花で、白や淡いピンクのカーネーションはお供え花にもよく用いられます。日持ちもよく、通年手に入ります。

• ユリ

ユリは気品と清浄を表す花で、お供え花としても人気のあるお花です。白いユリは「純潔」を象徴し、祭壇を格調高く彩ります。一方、香りが強いお花でもあるため、お相手の好みに合わせて選ぶ必要があります。

• 胡蝶蘭

胡蝶蘭は高級感があり、特別な法要にふさわしい花です。お供え用として白い胡蝶蘭は人気で、切り花としても出回っています。

• トルコキキョウ

トルコキキョウは上品さを備えた高潔なお花です。カラーバリエーションも豊富で、どの季節でも手に入れることができます。

• 季節の花

春ならやスイートピー、夏ならひまわりやグラジオラス、秋ならリンドウやダリア、冬ならシンビジウムなど、その時期に咲く花を取り入れると、より温かみのあるアレンジになります。生前の故人の好みを踏まえて、取り入れると素敵な供花に仕上がります。

色合いの選び方

一周忌のお供え花は、白を基調に淡いピンクや紫、黄色を差し色として加えるのが一般的です。赤い花は避ける傾向がありますが、ワインレッドや落ち着いたピンクなど控えめな色味であれば許容されるケースもあります。

• 男性の故人の場合

白・青・紫などの落ち着いた色合いがよく選ばれます。シンプルで凛とした印象を持たせることで、男性らしい雰囲気を大切にできます。

• 女性の故人の場合

白を基調に、淡いピンクやラベンダー、クリームイエローなど、柔らかく優しい色合いを取り入れるのが一般的です。上品で華やかな雰囲気を添えることができます。

• 生前に好きだった色を尊重する

故人が特に好きだった色や花を加えるのもおすすめです。たとえば「紫色が好きだったからリンドウを入れる」「明るい性格だったから黄色の花を添える」など、個性や思い出を反映したアレンジは、ご遺族にとっても心に残るものになります。

一周忌のお供え花の相場と予算感

お供え花の金額は、贈る立場や贈る場所によって変わります。

• 親族として贈る場合：10,000円〜20,000円程度

故人との関係が深い親族からのお供えは、ある程度ボリュームのある花を選ぶことが多く、祭壇に飾る大きめのアレンジメントが選ばれます。

• 友人・知人として贈る場合：5,000円〜10,000円程度

比較的カジュアルな関係の場合は、落ち着いた雰囲気のアレンジメントや花束が一般的です。相手に負担をかけすぎない金額帯が喜ばれます。

• 会社関係者・取引先として贈る場合：10,000円〜15,000円程度

会社や取引先からのお供え花は、礼儀や体裁も重視されるため、やや高めの予算で手配されることが多いです。白や淡い色を基調とした上品なアレンジメントが選ばれる傾向があります。

また、法要の場で祭壇に飾る場合は、一対（2基）で注文するのが一般的です。片側だけのお供えも可能ですが、左右対称に並べることでより整った印象になります。

自宅に贈る場合は、3,000円〜5,000円程度の花束やアレンジメントが喜ばれることも多いです。

一周忌のお供え花の贈り方

一周忌のお供え花は、贈る場所によって注意点が異なります。

• お寺や斎場に直接届ける場合

法要の開始前に届くよう、前日または当日の午前中に手配するのが基本です。宛名には「○○家御霊前」と明記します。お寺や斎場によっては宅配受け取りができないケースもあるため、事前の確認が必要です。

• 自宅に贈る場合

こちらも法要の前日までに届くようにすると安心です。法要が終わった後でも「ご命日にあたり、お花をお供えください」といった形で贈るのもマナー違反ではありません。

• 通販・宅配での注文

インターネット注文なら、立札やメッセージカードも同時に依頼できます。法要会場への直送が可能な場合も多いため、遠方からの手配にも便利です。

立札・メッセージを添える際の注意点

お供え花には、立札やメッセージを添えると丁寧な印象となります。

• 立札の書き方

「供 ○○家」「○○株式会社 代表取締役 ○○」など、贈り主が一目でわかる形で記載します。個人ならフルネーム、会社なら正式名称を用いるのが基本です。

• メッセージカードの例文

「ご一周忌にあたり、心より故人のご冥福をお祈りいたします。」

「在りし日を偲び、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。」

「ご家族の皆様のご健康をお祈りしつつ、故人を偲びお供えいたします。」

形式的な文面が望ましいですが、親しい関係の場合は少し柔らかい表現にしても問題ありません。団体ではなく個人として贈る場合は立札を付けないケースもあります。

１周忌の供花へのお返しや御礼に関する考え方

お供え花をいただいた場合、遺族としてはお礼を伝えることが大切です。

• お礼の仕方

まずは電話やお手紙で感謝を伝えましょう。特に親族以外からいただいた場合は丁寧なお礼が望まれます。

• お返しのタイミング

基本的には供花へのお返しは必要はありません。ただ、高額な供花をいただいた場合には返礼品を贈るのがマナーとされています。タイミングとしては法要後1か月以内に返礼品を贈るのが一般的です。

• 返礼品の相場

いただいた供花代の半額〜3分の1程度が目安とされています。お菓子やお茶、カタログギフトなど日常的に使えるものが好まれます。

お返しは必ずしも必要ではありませんが、心のこもった対応をすることで、法要全体がより丁寧なものとなります。