お供え花に添える立て札の例・書き方|連名の場合はどうする?

お供え花に添える立て札の例・書き方|連名の場合はどうする?

お供え花を贈る際に欠かせないのが、故人やご遺族への想いを伝える「立て札(名札)」です。特にビジネスシーンや連名での贈花では、適切な表記やマナーに気を配ることが大切です。しかし、「どこまで名前を入れるべき?」「肩書きは必要?」「複数人で贈る場合はどう書けばいいの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、立て札の基本的な書き方や注意点、個人・法人・連名での具体例を交えて、わかりやすく解説します。心を込めたお供え花を、より丁寧に、失礼のない形で届けるために、ぜひ参考にしてください。

お供え花に添える立て札とは? その意味と役割

お供え花に添える立て札は、贈り主が誰であるかを明確にし、弔意を表すための重要な要素です。葬儀や法要の場では多くの花が届けられるため、立て札があることで受け取る側が誰からの贈り物かをすぐに判断できます。

また、立て札には形式的な側面だけでなく、「亡き人を悼む心」や「遺族への配慮」といった想いも込められており、マナーや作法に沿った記載が求められます。

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冠文字の種類と使い分け

立て札の上部に記載する文字は「冠文字」と呼びます。冠文字は、宗教や葬儀・法要の種類に応じて適切に選ぶ必要があります。

仏教の場合

  • 「御供」:もっとも一般的な表記で、宗派を問わず広く使えます。

  • 「供」:簡略化された表記で、スタンド花などに使用されることもあります。

  • 「御仏前」:四十九日以降の法要で使われます。

  • 「御霊前」:通夜・告別式など葬儀の場面で使用されます。

神道の場合

  • 「御玉串料」や「御神前」などが用いられることもありますが、立て札では「御供」が無難とされる場合もあります。

キリスト教の場合

  • 「献花」や「With deepest sympathy」といった表現が使われることもあります。ただし、立て札自体を設けないことも多いので、事前に確認が必要です。

宗教的な背景によって使える冠文字が変わるため、迷った際は葬儀社や寺院に相談すると安心です。

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贈り主の名前の書き方とマナー

立て札の下部には、贈り主の名前を記載します。書き方によっては失礼に当たることもあるため、適切な形式を理解しておくことが大切です。

個人名で贈る場合

  • 基本的にはフルネーム(姓+名)で記載します。

  • 故人や遺族との関係が深い場合、「◯◯より」などと添えるのは避け、あくまで形式的な表記に留めます。

夫婦や家族で贈る場合

  • 「◯◯家一同」「山田太郎・花子」などとします。

  • 連名の場合でも3名までが目安です。それ以上の人数となる場合は「◯◯家一同」や「ご親族一同」といった表現が一般的です。

会社・団体から贈る場合

  • 「株式会社◯◯」「◯◯株式会社 代表取締役 山田太郎」など、組織名+代表者名を記載する形式が多いです。

  • 社員一同で贈る場合は「◯◯株式会社 社員一同」などとします。

友人・知人グループで贈る場合

  • 「友人一同」「同級生一同」「〇〇クラブ一同」など、関係性が分かる表記が望ましいです。

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連名での書き方とその注意点

複数人で花を贈る場合の立て札記載には、見た目のバランスと読みやすさへの配慮が求められます。

  • 2〜3人程度であれば、個人名を並列に記載(例:山田太郎・佐藤花子)

  • 4人以上の場合は、「友人一同」「ご親族一同」などの総称を使用

  • 表記順は五十音順または年齢順を基準にするのが一般的です

  • 名前の間には「・」を使い、スペースは均等に取る

連名は形式的に見えがちですが、それでも贈る側の誠意は伝わります。名前を省略した「一同」表記でも、事前に遺族に配慮した伝え方をしておくと丁寧です。

立て札のレイアウトとフォーマット

一般的なお供え花の立て札は、縦書きが基本です。ただ、花のバランスに合わせて横書きで印刷する場合もあります。文字数や全体のバランスを合わせて、整えるために、レイアウトにも注意しましょう。

  • 冠文字(例:「御供」)

  • 中央〜下部:贈り主名

  • 書体は明朝体や楷書体が無難で、可読性重視

  • 文字のサイズや間隔も読みやすさを意識

  • 簡素で落ち着いた配色を心がける(白地に黒文字など)

最近ではプリントされた立て札が主流ですが、格式の高い場面では手書きが好まれることもあります。いずれの場合も、清潔感があり誤字脱字のないものを用意しましょう。

贈る前の確認と配慮

お供え花とともに立て札を贈る際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 葬儀社や斎場に立て札の形式指定がないか確認

  • 故人・遺族との関係性や宗教を尊重

  • 法要の日時や場所をしっかり把握

  • 立て札の記載内容に誤りがないか複数人でチェック

特に間違いやすいのは名前の表記です。特殊な漢字を用いる方がいる場合には必ず複数人でチェックしましょう。

遺族にとって葬儀は大切な儀式です。些細なマナー違反が心象に影響を与えないよう、贈る側も細心の注意を払うことが求められます。

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まとめ:お供え花の立て札は送り先への思いやりのしるし

立て札は単なる贈り主表示のための札ではありません。そこには「故人を悼む心」「遺族への気遣い」「形式に即した誠意」が込められています。宗教や地域によって細かな違いがあるものの、共通して大切にされるのは“思いやり”です。

基本マナーと実例を踏まえれば、初めての方でも安心して準備ができるはずです。不安な点は専門業者に相談しながら、丁寧な対応を心がけましょう。

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この記事の執筆者
木谷 大晟の人物写真

HanaTaku代表

木谷 大晟

明治大学商学部を卒業後、人材系・IT系の会社を経てフラワーデザインの道に進み、2023年7月にFlower Shop Applaughを創業。フラワーデザインの資格である公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)の1級に合格しています。
現在は、花の仕入れやギフト制作を行う生花店運営からフラワーレッスンの主催まで幅広く活動しています。その傍ら、フラワーギフトの通販サイトHanaTakuを立ち上げ、店舗とオンラインを合わせて年間数千件以上のフラワーギフトを全国のお客様にお届けしています。これらの経験を活かし、HanaTakuブログにてフラワーギフト選びに役立つ花の知識や情報をお届けしていきます。