お盆のお供えする花の種類は?12種類のおすすめをご紹介

お盆のお供えする花の種類は?12種類のおすすめをご紹介

お盆は、ご先祖さまや故人の霊を迎え、感謝と祈りを捧げる大切な期間です。その静かなひと時を彩るのが、仏前に手向ける花々です。

色とりどりのお花には、それぞれの意味や役割があり、古くから季節の行事と深く結びついてきました。例えば、精霊棚に添えるミソハギや清らかな印象を与えるトルコキキョウ、優しく寄り添うように咲くリンドウなど、どれも故人への想いを形にしています。この記事では、お盆にふさわしい花の種類や選び方、供え方のマナーまで供花に関わる知識をご紹介します。

お盆にお花を供える意味とは?

お供え花 花束9,000円サイズ 白・黄色お盆は故人や先祖の魂を迎える日本の伝統行事です。お盆の期間中、仏壇や精霊棚、墓前に花を捧げる行為には深い意味があります。お花は清浄さを象徴し、故人を敬い、仏と共に迎え送り慰霊する心を表しています。

また、五供(ごく)の一つとして、食・茶・香・灯明と並び、花も欠かせない供え物とされています。古くから続く行事の象徴としての役割を持ち、花を通してご先祖との繋がりを感じる大切なしきたりと言えます。

【商品一覧】お盆に贈るお花

お盆に供えるお花の種類とその意味

1. ミソハギ(盆花・精霊花)

ミソハギはお盆の「盆花」の代表で、「精霊花」とも呼ばれます。細い茎に穂状に淡い紫紅色の花が連なり、見た目に清らかで涼しげな印象をもたらします。別名で「水掛草」と言われている通り、精霊棚に水を掛ける意味でも用いられ、禊(みそぎ)の象徴としても知られています。

また、花言葉は「愛の悲しみ」「慈悲」であり、故人への思いを込めて選ばれることが多い花です。地域や宗派によっては必須とされるほど重宝されており、墓前に添えることも一般的です。

2. キキョウ

キキョウ(桔梗)は秋の七草のひとつで、紫や白の気品ある花姿が特徴です。花言葉は「永遠の愛」「誠実」で、故人への変わらぬ思いを象徴するお花です。

暑さにも強く、夏の盆花としてしっかりと存在感を示します。初盆でも用いられ、静かな美しさと気持ちを込めて供えることができます。

3. ホオズキ

ホオズキは、「盆提灯」として霊を迎え導く桃色の実が特徴です。精霊棚や仏壇に飾ることで、故人の魂を照らす役割を果たします。実が提灯のように見えることから仏教の灯明を連想させ、先祖を導く光としての役割を担います。

4. トルコキキョウ

トルコキキョウは、気品ある花姿と豊富なカラーバリエーションが人気です。英語名では"Lisianthus"とも呼ばれ、耐暑性が高く、お盆のお供えのお花として非常に使いやすい花材です。

よく見かけるのは花びらがバラのように重なる八重咲のものですが、夏季はキキョウのような一重咲きが多く出回ります。白・薄紫・淡ピンクなどが定番で、新盆のお花としてもよく選ばれます。

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5. 菊(スプレーマム・小菊・ピンポンマム)

ピンク色のマム菊は日本の仏花を代表する花で、「高貴」「高潔」「真実の愛」といった花言葉を持ち、故人への尊敬と供養を象徴します。菊と聞くと昔ながらのお花のイメージを持たれがちですが、最近では洋風の菊(マム)が出回ることも多く、大きさも形状も豊富で、予算や場所に応じて選びやすいのがメリットです。

6. ユリ

ユリは清楚で気品のある花として人気です。花言葉は「純潔」「無垢」であり、特に白い百合は慰霊の象徴として古くから用いられてきました。香りが強い品種もあるため、香りに配慮して種類を選ぶことが重要です。

7. カーネーション

「愛」「感謝」を象徴するカーネーションは、故人への感謝の気持ちを込めて選ばれることがあります。赤や白の淡色が中心で、明るい印象を加えつつも節度ある供花として利用可能です。日持ちもよく、暑い夏でも丈夫です。

8. リンドウ

リンドウ(竜胆)は薄紫色の叙情的な花姿と、花言葉「誠実」「悲しみを分かち合う」を持つことから、故人への想いを優しく表現できます。夏の後半から秋にかけて開花するため、季節感に合った供花として人気があります。

9. ケイトウ

ケイトウ(鶏頭)は「不滅の愛」を象徴し、真心を表す盆花に適しています。秋の始まりを感じさせるシックな風情があります。

10.アスター

アスターは小さな花びらが幾重にも重なった、可憐で落ち着いた印象の花です。初秋にかけて開花することから、ちょうどお盆の時期にも出回りやすく、季節感を感じさせる花のひとつです。
花言葉は「追憶」「信じる心」など、故人を思い出し、心を寄せる意味を込めて飾るのにふさわしいもの。白・紫・ピンクなど多彩な色があり、仏花としても彩りを添えてくれます。

11.ワレモコウ

ワレモコウは、丸みのある小さな穂のような形が特徴の山野草で、渋みのある深い紅色が印象的です。華美すぎず、控えめで落ち着いた佇まいが、故人への静かな敬意を表すお供え花として適しています。
花言葉は「変化」「もの思い」「愛慕」など、内に秘めた想いや深い感情を象徴するもの。和の雰囲気にも合い、他の仏花と組み合わせても上品な仕上がりになります。

12.ベニバナ

鮮やかな黄色から徐々に赤みを帯びていくベニバナは、日本でも古くから染料や薬草として用いられてきた歴史ある花です。お盆の花としては、生命力の象徴や、感謝の気持ちを込めたお供えにふさわしいとされています。
花言葉は「愛情」「包容力」。華やかさの中に温かみがあり、故人への深い愛や感謝の思いを伝える花として多く選ばれています。

お供えするお花は地域ごとに違いがある? 

お盆の花として選ばれる種類は、地域や宗派によって異なる傾向があります。東北地方や関東ではミソハギが必須ですが、西日本ではホオズキやトルコキキョウをより重視することもあります。地方ごとの風習を重んじる場合は、地元の花屋や寺院に相談することをおすすめします。

また、仏教宗派(浄土宗・真言宗・臨済宗など)によって建物や水場の設えが異なるため、花の配置バランスにも配慮が必要です。

 初盆(新盆)にふさわしいお供え花の予算は?

初盆とは故人が亡くなった翌年に迎える初めてのお盆であり、特別な装いが求められます。

薄めの白や淡紫を基調とした清楚で上品なアレンジが理想とされ、予算は5,000〜10,000円程度が目安です。菊・ユリ・トルコキキョウなどを組み合わせた華やかで厳かな供花が選ばれる傾向にあります。

最も、上記は個人で贈る場合の相場です。複数人で連名で贈る場合は10,000円以上のおh花を選ぶことが多いです。

【商品一覧】新盆・初盆のお花

宗派別の注意点|仏教・神道・無宗教の場合

仏教では奇数本で供える(縁が切れないという意味)、白・淡色中心、香りが強くない花が望ましいとされています。一方、神道では榊や季節の自然物が重視され、花とは扱いが異なることもあります。

神道の祭壇では榊や野菜果物が中心的であり、お花は補助的な役割を担います。無宗教の場合は、故人や遺族の思いを尊重しつつ、清潔感と節度を意識した花選びを心がけると良いでしょう。

お盆のお花の選び方

白色・紫色のお供え花束 8,000円サイズ

お盆のお花の基本的なルール

白・淡色を基調に、派手すぎず自然な彩りでまとめます。紫やピンクなどの色を組み合わせるミックスカラーの場合でも清楚さを保ち、故人への敬意を失わないアレンジにすることがポイントです。

【商品一覧】白・グリーンのお供え花束

避けるべき花

一般的にはトゲのある花(バラ)、つる性のお花(クレマチス)、香りが非常に強いものは避けた方がよいとされています。ただ、故人が生前にバラがお好きであった場合などはあえてバラをお供えすることもあります。

花びらが散りやすいものは清掃の手間がかかるため、実用性の観点からも控えたほうがよいでしょう。

お盆用のお花はどこで買う?通販・花屋の比較

白色・ピンク色・紫色のお供え花束 8,000円サイズお盆にお花を用意する場面はさまざま。ご自宅のお仏壇やお墓に手向けるお供え花から、離れて暮らすご親族や親戚宅へ贈るアレンジメントまで、目的によって購入先の選び方も変わってきます。ここでは主な購入先として、「町の花屋」「フラワーギフトの通販サイト」「ホームセンター・園芸店」の3つを比較し、それぞれの特徴をご紹介します。

町の花屋:急ぎの対応や相談重視なら

町の花屋さんでは、仏花に適した季節の花を実際に見て選べるのが大きな魅力です。急に必要になった場合でもその場で購入でき、用途や宗派に合わせた花選びの相談もしやすい点がメリット。自宅やお墓用のお供え花を手早く用意したい方におすすめです。配送対応してくれる店舗もありますが、混み合う時期は早めの注文が安心です。

フラワーギフトの通販サイト:遠方への贈り物や洗練されたデザインを求めるなら

親戚宅やお世話になった方へお盆のお花を贈るなら、フラワーギフト専門の通販サイトが便利です。全国配送が可能で、お盆シーズン限定のアレンジメントや故人を偲ぶ優しい色合いのデザインなど、選択肢も豊富です。メッセージカードや立札のオプションがあるのも魅力です。日時指定ができるため、余裕をもって注文しておきましょう。

ホームセンター・園芸店:コスパ重視で多めに用意したいときに

ホームセンターや園芸店では、比較的リーズナブルに切り花や仏花セットを購入できます。種類は限られることもありますが、まとまった量を手に入れやすく、お墓参り用に複数束を必要とする場合に便利です。自分で花を組み合わせてお供え花を作る楽しさもありますが、贈答用にはやや不向きな場合もあるため、用途に応じて使い分けましょう。

よくある質問Q&A

Q. お盆のお花はいつから飾るのがよいでしょうか?

A. 一般的には「迎え盆」にあたる8月13日の朝、またはその前日の8月12日から飾るのが通例とされています。ただし、地域によっては旧暦のお盆や7月に行われる場合もあり、風習に違いが見られます。ご自宅の宗派や地域の習慣に合わせて準備されるとよいでしょう。

Q. 生花を用意できない場合、どのような代わりのものがありますか?

A. 長時間の外出や気温の高い時期には、生花の管理が難しいこともあります。そのような場合は、プリザーブドフラワーアーティフィシャルフラワー(光触媒加工の花)など、お手入れの手間が少なく長く美しさを保てる花材が人気です。また、近年では仏壇用の下置きタイプの花器もあり、省スペースで飾れる点から支持されています。

Q. 暑さによる花の傷みを防ぐにはどうしたらいいですか?

A. 夏の高温多湿の環境では、花もちを保つ工夫が必要です。たとえば、花瓶の水に保水剤(延命剤)を加える直射日光を避けた涼しい場所に置く毎日1回は水を入れ替えるなどの対策が効果的です。また、花を購入・配送する際にはクール便を利用すると、傷みにくく美しい状態を保ちやすくなります。

Q. 仏壇用とお墓参り用で、お花の本数や大きさに違いはありますか?

A. 一般的に仏壇用の花は、左右一対でバランスよく飾るため、見た目の整った長さやボリュームが求められます。一方、お墓用の花は風や雨にさらされやすいため、丈が短く茎がしっかりした種類が好まれます。また、花筒にしっかり収まり倒れにくいように、ややコンパクトなサイズを選ぶと安心です。用途に応じて適した花を選びましょう。

まとめ|お盆にふさわしい花を心を込めて選ぼう

白色・ピンク色・紫色のお供え花束 5,000円サイズお盆はご先祖の魂を迎え、故人を想う大切な時です。花はその象徴として役目を担い、清浄さや祈りの気持ちを端的に表す手段です。ここでご紹介した定番花やマナー、購入方法などを参考に、ご家族の気持ちに寄り添った供花を選んでいただければ幸いです。

また、自宅でお供えするだけでなく、親せきやご縁のある方への贈り物としても、花は思いを届けるかけがえのない存在です。季節に合った花や、故人が好きだった花を選ぶことで、より一層心のこもったお盆を過ごせるはずです。

大切なのは、形式よりも気持ち。
故人を偲ぶその想いを、そっと花に託してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】法事で本堂に供える花束の相場|花選びのマナーも併せてご紹介

この記事の執筆者
木谷 大晟の人物写真

HanaTaku代表

木谷 大晟

明治大学商学部を卒業後、人材系・IT系の会社を経てフラワーデザインの道に進み、2023年7月にFlower Shop Applaughを創業。フラワーデザインの資格である公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)の1級に合格しています。
現在は、花の仕入れやギフト制作を行う生花店運営からフラワーレッスンの主催まで幅広く活動しています。その傍ら、フラワーギフトの通販サイトHanaTakuを立ち上げ、店舗とオンラインを合わせて年間数千件以上のフラワーギフトを全国のお客様にお届けしています。これらの経験を活かし、HanaTakuブログにてフラワーギフト選びに役立つ花の知識や情報をお届けしていきます。