マトリカリアは、マーガレットを小さくしたような可憐で素朴なお花。花束ではふんわりと雰囲気を出すために、フラワーアレンジメントではメインのお花の隙間から顔を出してナチュラルな印象を出すため花材としてよく使われます。
シンプルな組み合わせの中にマトリカリアを取り入れることが多いのではないでしょうか?本記事ではマトリカリアの切り花の特徴からお手入れ法について解説します。
マトリカリアはどんな花?
まずはマトリカリアの基本情報についてご紹介していきます。
マトリカリアの基本情報、開花時期は?
マトリカリアはキク科ヨモギギク属のお花で、和名は夏白菊(ナツシロギク)、英名はfeverfewです。似ているお花としてハーブのカモミール(カミツレ)があり、マトリカリアも熱を下げるハーブの薬草としてヨーロッパでは「フィーバーフュー」として知られています。
原産地はヨーロッパ、開花時期は5月〜7月で、一年中出回ります。マトリカリアは花芯が黄色の一重咲きのものがよく出回りますが、八重咲きやポンポン咲きなど、咲き方が若干異なる品種が出回ります。
一本の茎から枝分かれするスプレータイプなので、花瓶に生ける際は細かく切り分けて、花瓶に合う長さに切って生けてもとてもかわいいです。
参考:公益社団法人 日本フラワーデザイナー協会 マトリカリア
マトリカリアの切り花はしおれやすい?切り花を長持ちさせるためには?
日持ちがよいマトリカリア。ただ、キク科の花ということもあり、水が下がりやすく、しおれて垂れてしまいます。
しっかりお手入れすれば、元気な状態に戻りますので、しっかり手入れしてあげましょう。
水に浸かる部分や不要な葉を取り除く
マトリカリアは茎に葉がついており、葉の方は傷んでくると黄色に変色していきます。
また、水に浸かる部分に葉が生えているとお水が傷みやすくなり、必要以上に葉がついていると葉に水分が取られ、お花にお水が行き渡りづらくなります。
適度に整理して、お水が下がりづらい状態を心掛けましょう。
毎日花瓶の水を替え、茎を少し切り戻しをする
切り花を生ける際の基本となりますが、こまめに水を替え、花瓶は清潔な状態を保ちましょう。毎日水を替えるのが難しい場合は、延命剤を使用しましょう。また、水を替える際に切り口を新鮮にする「切り戻し」を行うことで、水の吸い上げがよくなります。
しっかり水揚げをする
マトリカリアのお花がしおれている場合は水が下がっています。お花の水揚げをする際には水中で切り口をカットしましょう。水中で切ることで水を運ぶ導管に空気が入らなくなり、しっかりと水を枝先まで送り届けやすくなります。
水切りをする際はバケツに水を張り、水に切り口をしっかり浸して斜めにカットしてあげましょう。また、マトリカリアの場合は、茎を割ったり叩いたりするのも効果的です。
深い水の中に浸そう
水切りをした後は、そのまま花瓶に生けるのではなく、しっかりとお水に浸すことで水上がりが良くなります。手順は下記のとおりです。
順番 | 対応 |
① |
切り口の上から花が覆われるくらいまで新聞紙や大きめの紙で包む(写真のように切り口を残し、すっぽり隠れるくらい包み込みましょう) |
② | 深さのあるバケツに水を入れて、花をしっかり浸す(紙が濡れるくらい浸す) |
③ | 3時間以上そのままの状態する |
こうすることで、水がしっかり揚がりシャキッとした状態になります。深めの水に入れると、水圧で水を吸収しやすくなるので深めのバケツを用意しましょう。
それでも水が揚がらない場合は湯上げを!
上記の対応をしてもマトリカリアの花が垂れてしまっている場合は湯上げをしましょう。
順番 | 対応 |
① | 切り戻しをする(切り口を新しくする) |
② | 切り口の上から花が覆われるくらいまで新聞紙や大きめの紙で包む |
③ | 水を沸騰させて、切り口を10秒程度漬ける |
④ | 直ぐに水につけて、切り口を新しくする |
⑤ | 3時間以上そのままの状態する |
湯上げはお花によって向き不向きがあるので、事前に調べましょう。
マトリカリアの花言葉は?
続いて、マトリカリアの花言葉を紹介します。
マトリカリアの花言葉は『集う喜び』
この花言葉はマトリカリアの寄り添って咲く愛らしい小花の様子から付けられました。枝分かれするお花の中でも特にお花の数が多く、集う花姿はとてもかわいいです。
マトリカリアは通年出回るかわいい小花。
マトリカリアは通年出回っているおり、どの季節でも手に入れることができる身近なお花です。飾らない自然体な雰囲気が多くの方に愛され、どんなお花と合わせても馴染んでくれます。
水が下がりやすいことが難点ですが、一度しっかりとお水を吸わせると比較的長く元気な状態を保ってくれるので、水揚げをして、長く楽しんでください。